モダニズム建築を代表するホテル Part2

こんにちは、デザインチームの瀬尾です。
先週末からまた急に冷え込んだ日が続きましたね。花粉に悩まされつつも、春を待ち遠しく思う今日この頃です。
さて本日は、前回に続いて『The Okura Tokyo』のお話をさせて頂こうと思います。

本館に入ると、すぐに大花生け鉢が来館者を出迎えてくれます。元々あった三波石を移設して再製作されたとの事、季節によって違う表情を見せてくれますので、訪れるのがより楽しみになりますよね。
この大花生け鉢は六角形の形をしています。なので通称「六角」と呼ばれているそうです。ご存じの方も多いと思いますが、正六角形の文様は『亀甲文』と呼ばれ、古くから長寿や吉祥のシンボルとして親しまれています。名前の由来は亀の甲羅に似ているからですね。オークラのブランドを象徴するモチーフとして、亀甲文はいろいろなところで見ることができます。お部屋の小物にもさりげなく使われているのを見たときは、何故だかちょっと嬉しくなりました。ここには載せませんので、訪れる機会がありましたら探してみてくださいませ。

こちらは中2階のスペースです。1階にも平たい天井のスペースがありますが、吹抜とはまた違う趣があり、座っていてほっと落ち着きます。

そして横に見える手摺は、建て替えに伴い現行法に合うようアップグレードされています。まさに親子2代のコラボレーションですね。元のイメージを壊さないようデザインされた新たな手摺は、すんなりと空間に馴染み、懐かしい空気を与えてくれます。
ちなみに、1階にも同じように障子が設けられていますが、時間帯によって外の植栽による陰影を楽しむことができます。最近は障子を使う事が減ってきましたが、是非お勧めしたいアイテムです!便利な電化製品ももちろん大事ですが、暮らしを豊かにするアイテムとしてまた違う味がありますので。

そして建築を学ぶものとして、ホテルに泊まると見てしまうのが細かいところの設え。例えば分かりやすいところでいくと、引出しの引手や扉の手掛けがどのようなデザインになっているか、などです。とりあえず全部開けますね(笑)

ホテルのこだわりがあると思いますので、あまり載せない方が良いかなと思いつつ…1枚だけ。使い方や閉まっているときの見え方を考えて選択されているなという事を感じました。今後の参考にできるよう、ストックはカメラの中にばっちりです!目立たないところですが、だからこそこだわりたいですね。

最後に1枚。

ロビーはもちろん素敵で大好きですが、私は中2階の手摺からもたれて全体を見られるこの場所がお気に入りです。時間を忘れてずっと眺めていられますね。(ロビーは私にはまだまだ敷居が高過ぎて、座っていてもそわそわしてしまいます。)

2回にわたって語らせて頂きましてありがとうございました。そろそろ違う建築家さんにスポットを当てましょうか。次回もお付き合い頂けますと幸いです。