古民家カフェで発想を磨く

こんにちは、デザインチームの瀬尾です。
一段と冷え込みが強くなってまいりましたね。インフルエンザも猛威を奮っている模様ですので、体調管理にも気を付けて年末まで頑張りたいと思います!

さて本日は、古民家カフェのご紹介です。
近場に素敵な古民家カフェができているという情報をキャッチし、居ても立っても居られなくて早速行ってまいりました。

何気なく通るとカフェとは気づきにくい外観です。知る人ぞ知る感があるので、そこもまた良いですよね。懐かしい感じの佇まいで、良い感じの雰囲気です。

席はゆとりを持った配置になっていました。靴を脱ぐ席とカウンター席と選べます。私は奥まったところでゆったり過ごさせて頂きました。

落ち着いた雰囲気の照明なので、奥の席は少し暗いかなと感じるかもしれませんが、とてもリラックスできます。北欧などの落ち着いた雰囲気の照明計画に近いものがあるかもしれません。今でこそ夜も明るい日本の住宅ですが、日本でも昔から行燈があり、昨今は夜は照度を落とした照明計画、というのが注目されていますね。私は目が悪いせいか普段は明るい空間で過ごしているため、その照度が体感出来て勉強になりました。

欄間にダクトレールを設け、スポットライトを間接光的に使用しているのもオシャレですね。古民家と近代のコラボ、という感じがしました。密かに真似させてもらっても良いかなぁと思って見ていました。

建築好きの身として嬉しかったのは、内部の建具を上手に使ってくれていたことです。今ではなかなか手に入らないガラスが使われていたり、味のある風格に色が変化したりしているので、その良さを分かって残してくれていると思うと感慨深いですね。また、障子を無くしてしまっているのも新しい発想だなと勉強になりました。下の写真だと分かりやすいと思います。

縁側にある白い生地が外からの視線を遮り、中からは空間のゆとりを感じられます。住宅では挑戦しにくいカフェならではのデザインかもしれませんが、面白いですね。

以前は床の間であっただろう空間も素敵に工夫して使われていました。また、ここの席は畳で座卓になっています。晴れの日に外を眺めながら…なんて贅沢な空間、という感じがしますね。

以前は押入だっただろうという空間も素敵に変化しております。カフェならではのスペースの使い方かもしれませんが、センスを感じられます。

リノベ工事をするにあたって、プロに任せるところはプロに、自分でできるところはご自身でされたそうですよ。センスもそうですが、建築屋では反対に思いつかないような発想も随所にあり、なるほど!と思うところがご紹介した以外にもたくさんありました。もしかしたらどこかの現場で真似しているかもです(笑)

最後にもう少しご紹介を。
新しく壁にしたところは落ち着いたトーンの壁紙を使い、ひっそりと飾られた植栽との相性もばっちりでした。さりげない気遣いですが、壁に寄せてテーブルを配置する意味はここにある!と感じさせる存在感もありますね。また、桁上には恐らく当時の聚楽壁が残っていて、建築好きとしてはその姿勢もとても嬉しく思いました。

詳しい場所が気になります方はお声掛けくださいませ。店主の方はお一人で切り盛りされているため、時間にゆとりを持って伺って頂ければと思います。それでは、次回もお付き合い頂けますと幸いです。