こんにちは、デザインチームの瀬尾です。
お盆休みに入った方もいらっしゃるでしょうか?今年は最大で9連休ですね!車での遠出は渋滞も気になるところですが…。事故に気を付けて、疲れを癒して頂ければと思います。また、お盆も関係なく働いてくださっているインフラ関係や行政職の方もいらっしゃるかと。社会を支えていて下さりありがとうございます。
さて、本日は夏休みにちなんで海にまつわる建物をご紹介しようかなと思います。
余談ですが、本当は前回までのコルビュジエ繋がりでご紹介したい建物があったのですが…昔のデータから写真を一生懸命探しておりまして(笑)時間が空いてしまいました。時間が空いたので、そちらの建物は別の機会に回そうと思います。
というわけで、今回の建物はこちら。
外観だけで分かった方はマニアックかと(笑)

三重県鳥羽市にあります、『海の博物館』です。
海女さんや漁、漁村の文化、木造船などについて学ぶことができます。

いくつかの展示棟が敷地内に配されているため、私のカメラ技術では追いつかず申し訳ないのですが、進むにつれて次は何の展示だろうとワクワクしてテンションが上がります。
設計は内藤廣さんです。
日本を代表する建築家さんの一人ですね。現在、東京・渋谷にて非常に興味深い展示会が開催されています!(是非行きたい…)
展示棟がいくつかに分かれているのは、空間構成と共に収蔵品の特性に寄るところかと思いますが、温熱環境が異なり、適正に働いていることが肌感覚に伝わりました。
こちらの展示棟は集成材にて木造の大空間を作っています。



漁についてや暮らしについての展示が所狭しと紹介されていて、見ごたえたっぷりでした。内容は是非現地を訪ねて頂きたいので、あえて見切った写真にてご紹介させて頂きますね。
豪快な作りで圧巻です。昨今は木造による大型建築も増えてきましたが、まさに先駆けの建築、という感じでしょうか。建てられたのは1990年代だったと思うので、当時は結構な挑戦だったのでは、と思いを巡らせてしまいます。
そしてこちらの展示棟は構造が変わり、プレキャストコンクリートのポストテンション組立構法が採用されています。

コンクリートの強度が通常よりも高く発揮されますが、難しい構法でもあるので当時の苦労は計り知れなかったのではと感じます。厳かとした空間の迫力に思わず息を飲みました。そして、展示されている木造船の数に2度目の息を飲みました。今では見ることの少なくなった木造船ですが、船大工の方々の技術力を目の当たりにできます。
最後に…最初にも紹介した建物の外観は、今にも通じる佇まいで古さを感じさせません。『海の博物館』の設計にあたり、“時間に耐える建築とすることを第一義としていた”と聞いた(読んだ)ことがあります。それは構造然り、温熱環境然りかと思いますが、意匠にも言えることなのかなと感じました。そして、まだまだ長い年月を過ごし耐えていく建築なのだろうと思います。

『海の博物館』では、素晴らしい建築を体感することもですが、今まで深く触れたことのない海女さんの生活や海と共に生きる人たちの暮らしについて、じっくり学ぶことができますよ。同時に、楽しいだけではない海の怖さもしっかりと学べます。岐阜にお住いの方ですと、プチ旅行気分で訪ねることができると思います!夏休みの行き先が決まっていない方、遊びと学びの両方にいかがでしょうか。
それでは今日はこの辺で。次回もお付き合い頂けますと幸いです。