こんにちは、デザインチームの瀬尾です。
大寒波…みなさまご無事でしたでしょうか?雪深い地域では、これから雪解けを迎えるとまた危険なことが多々あるかと思います。油断なさらずお過ごしくださいませ。
また先週末は、雪が降りしきる中パッシブハウスオープンウィークスにお越し頂きまして、皆様ありがとうございました。この雪の中、半袖半ズボンで贅沢だなと思いつつ(笑)そこまでとは言わなくても、真に暖かいお家での暮らしは身体にも地球にもお財布にも優しいものなので、そういった暮らしが当たり前になるよう私たちも努めて参りたいと改めて感じました。
さて本日は、昨年冬、雪が降る前に行ってきました建物についてご紹介できればと思います。
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谷口吉郎・吉生記念 金沢建築館です!
2019年に開館しまして、ずっと行きたいと思いながらなかなか行けず…先日やっと訪ねることができました。金沢にはこれまで30回以上来ているのですが…中心地から少しだけはずれているので比較的静かで、ゆっくり見ることができましたよ。
ここは名称にもなっている、谷口吉生さんの設計された建物です。日本を代表する建築家の一人ですね。代表的な建物は?と聞かれると、浮かぶ建物がいくつかパッと出てくる感じ。
直線美がたまらなく好きです。洗練されていてかっこいい、隙がない感じですが、それでいて無機質な印象にならないので不思議です。街並みに調和して見えるのは、軒高を低く抑えているからでしょうか。
お父様の吉郎さんも著名な建築家さんです。また、金沢の景観まちづくりにも尽力した方ですので、その思想を受け継いでいるようにも感じます。
ちょうど特別展も金沢のまちづくりに関するものでした。非戦災都市である金沢が、非戦災都市であるがゆえに受け継がれた時代の営みと、近代化開発への立ち遅れの中で迷いもがきながらどのように方向を定めてきたかが分かる内容でした。恥ずかしながら、私は既に今の観光都市として確立した姿しか知らなかったので、初めて見る姿(写真)に視野を広げてもらった気持ちでした。また今も引き続き、意見が交わされていることにまちの魅力を感じました。
話がそれてしまいました。
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通りになる面はガラスを用いた開放的な意匠となっておりますが、他方面は石で覆った重厚な雰囲気になっております。これは、内部の展示室や収蔵庫を外の温度変化などの影響から護るための工夫だそうです。また、この辺りは風致地区に指定されているとの事で、仕上げの石を暖色系にすることで、周囲の景観との調和を図ったそうです。デザイン性と機能性を両立させた設計の工夫、住宅とは規模がまた違いますが、参考にしていきたいです。
また、建物の常設展示室には、吉郎さんが設計された迎賓館赤坂離宮 和風別館「游心亭」の広間と茶室が忠実に再現されています。ここはやはり生でご覧頂きたいので、写真でのご紹介は控えさせて頂きます。機会がありましたら是非訪れてみてくださいませ。
残念ながら吉生さんは昨年末に旅立たれてしまいましたが、建築やまちづくりへの想いは次の世代にきっと受け継がれていくと思います。もちろん私もその一人になれるよう、日々精進していきたいです。
ちなみに、金沢建築館から少し歩きますが、谷口吉生さんの建築をもう1つ近くで見ることができますよ。鈴木大拙館です。ここでも吉生さんの建築美を堪能することができます!
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次回も谷口吉生さんの建物にスポットを当てようかなぁ。楽しみにして頂けますと幸いです。どうぞお付き合いくださいませ。