こんにちは、デザインチームの瀬尾です。
みなさま、GWはいかがお過ごしでしたか?リフレッシュして仕事開始、という方もみえると思いますが、春の嵐が列島縦断、急な天候の変化にお気をつけくださいませ。
さて本日は、前回に続き、サヴォワ邸のご紹介をさせて頂こうと思います。(覚えてみえますか?)20世紀を代表する巨匠、ル・コルビュジエが設計した建物ですね。
今では傑作として広く認められていますが、廃墟のようになっていた時期もあります。歴史を紐解くと想像頂けるかと思いますのでここでは細かく書きませんが、この建物について学ぶと、造形だけでなく家の持つ運命にも驚かされたのを覚えています。
それでは中を少し覗いてみましょう!

ここはリビングにあたる空間です。サヴォワ邸は居住空間の大半が2階にある設計ですが、元々、週末用住宅として設計を依頼された邸宅ですので、贅沢な空間構成なども頷けますね。(原図を見ると、1階には客室と使用人さんのお部屋が備えられています。)
コルビュジエが設計した椅子も置かれていて、当時、生で拝むことができてとても感動しました。(正確にはフランスの建築家・デザイナーのシャルロット・ぺリアンらとの共作ですね。このお話はまた機会があれば。)私はコルビュジエの家具と言われて最初に思い浮かぶのが奥の手前にある寝椅子です。LC4と呼ばれています。ちなみに、手前にあるソファはLC2、奥にあるチェアはLC1だったかと。名称で考えると、一般的にイメージされるのはLC1や2でしょうか?ちょっと聞いてみたいです。
ここの空間では、コルビュジエの提唱した5原則の1つ、水平連続窓を味わうことができます。石造から鉄筋コンクリート造へ、縦長窓や小開口から水平横長の連続窓へ、今につながる技術の進化を感じることができます。

室内から外(テラス)を眺めるのも良いですよ。ゆったりした時間を過ごせるのだろうなと想像が膨らみます。また、リビングとテラスの境にある大開口は引戸になっているため、開けると一体化した空間のように使用できます。晴れた日などは気持ちが良いだろうなと思います。

テラスにはテーブルも備えられていました。外でも人目を気にせず過ごすことができますね。星を見ながら一杯…なんて風流ですね。1階からのスロープがここから屋上へと折り返して繋がっていきます。大胆で自由な空間構成です。

何故だか分かりませんがこの角度の顔が好きだなと思いました。(もちろんリビングなども好きですよ!)幾何学的な造形の組み合わせにそそられるのかもしれません(笑)線が通っていてシンプルそうなのに複雑性のある感じが…刺激を受けます。
スロープの奥には螺旋階段もあります。素早く上下を移動できるよう、スロープとは異なる機能面を補う役割があるようです。一般住宅で螺旋階段を取り入れることは少ないと思いますが、学生時代には一度は設計に入れてみた、という方は意外と多いのではないかなと思います。私も覚えがあるので。
最後にもう1枚ご紹介を。
こちらは浴室になります。巷ではよく知られた写真です。

訪れる機会がありましたら、是非ここに寝そべってみてください!体格差がありますので感じ方に個人差はあると思いますが、波打つ形にフィットする感覚を体感して頂きたいなぁと思います。マニアックな話が多くなりましたが…次回もお付き合い頂けますと幸いです。